歌:さだまさし
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
思い出の輪郭が 少しずつほどけてくると
思い出は全て 美しくぼやける もののようね
久しぶりに あなたの 故郷を訪ねたら
何故だか あの頃よりも 暖かくて 泣きそうになるわ
金色の麦畑の中を ただまっすぐに
一筋の小径が 地平線まで 伸びていたね
ふたりきりで 手をつなぎ 歩いたあの頃
その道は 「永遠」まで 続くと 信じていた
あなたと暮らした 小さな川の
畔の小さな家は
あの頃のまま 時間を止めて
私を 待っていた
見知らぬ人がささやかに暮らしてる 家の庭の
片隅にはあの頃よりも大きく 育った 桜
桜、桜、あなたが 植えた花が あんなに
綺麗に 咲いているよ 嬉しくて 泣きそうになるわ
雪解けで水かさが増している 小さな川の
跳ね橋の上をゆくひとがそっと私を見ているわ
思い出とは こうして 振り返るだけでなく
昔を 許すために 少しずつ 育つものらしい
思い出したわ あの頃そっと
私が植えた花を
桜の下の 木陰のあたり
ほら まだ咲いてる
まるであなたに 抱きしめられた
あの日の私のように
涙を止めて 時間を止めて
私の クリスマス・ローズ
忘れないで 居てくれたのね 二人の クリスマス・ローズ
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