歌:島津亜矢
作詞:野本 高平
作曲:村沢良介
「お徳、お前がいのちだ」と言って下さった
あの夜の若旦那の言葉、
お徳は若旦那と離れられなくなりました・・・
親の許さぬ ふたりの仲を
恋の炎は なぜ焦がす
花の音羽屋 お徳のいのち
髪を 髪を ほどけば紅が散る
夢はおぼろ 夢はおぼろ
泣いて浪花へ 都落ち
父親の跡を継いで芝居をとるか、お徳をとるか・・・
若旦那はお徳をとって下さいました
あの時から若旦那とお徳の命は、
二人で一つになりました・・・
だから、どんな事をしてでも
若旦那を立派な役者にしなければ・・・
妻と名のれず あなたと呼べず
隠れ所帯は 路地の奥
好きなお方が 世に出るまでは
苦労 苦労 覚悟のいく曲がり
涙おぼろ 涙おぼろ
生きて尽くして 愛されて
えっ、本当ですか?
旦那様が二人のことを許して下さったのですか?
それじゃ、このお徳は世間晴れて、
若旦那の女房になれたのですね・・・
これからは「あなた」と呼んでもいいのですね・・・
あなた・・・これで私の病気も治りますね・・・
私の命はあなたのいのち、
お徳は・・・お徳は・・・幸せ者です・・・・・・
出世花道 舟乗り込みを
せめて笑顔で 送る朝
今日が最期か お徳のつとめ
終えて 終えて 黄泉路をひとり旅
あとはおぼろ あとはおぼろ
声が聞こえる 大向う
あなた あなた あなた・・・音羽屋・・・
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