歌:吉田拓郎
作詞:石原信一
作曲:吉田拓郎
何も起こらずに 都会が暮れて行く
しがみつくものは ほどほどの生活
とくに家族とは 諍そいは避けて
話半分に 相槌を打つ
風のゆくえなど 誰も知らぬよう
ましてや自分を 占いはしない
心とどまれと ビールつぎ足せば
胸にこぼれて 鳥の絵になる
幸福なのかと たずねられたら
答えようもなく
いくつ計れば 俺にわかると
立ちつくすだろう
ああ それでも月は輝いて
ああ その身を明日へと急ぐ
生きながらえば 恥が多くなり
目立たなく生きる 術を考える
平凡という字を てのひらに書いて
のどに流し込み 胃薬にする
どんな灯りの もとで暮らしても
愛と後悔は まとわりつくもの
着古したコート 振り払うように
些細な事だと 笑えたらいい
幸福なのかと たずねられたら
満ち足りてはなく
人は どこまで 求めるのだと
訊き返すだろう
ああ それでも月は輝いて
ああ その身を満月に変える
ああ それでも月は輝いて
ああ その身を明日へと急ぐ
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