歌:Salyu
作詞:小林武史
作曲:小林武史
空をいくつかに分かれさせている 高速道路の下で
壊れたビルや 壊れた車が 捨てられている景色が
無人の街を作っている
多分立ち入りを禁じた看板 ひびが入って転がり
カラスにとっては 慣れてるだけで 欲しいものも無さそうで
そこで境界線を作っていたのは
黒くさびれて ねじ曲がっている
ずっと忘れられている もの
太陽の光浴びながら 有刺鉄線はそこにあった
淀んだ空気に揺れながら 私はボーダーのどちら側にいる
いるのかな
遠ざけてたのは 置き去りにしてた 街や人々の過去で
私がしばらく 遠ざけたものも どこかに転がってそうで
ここが夢のスクラップ工場だったならいいのに
そこで気づいた 有刺鉄線に まるで寄り添うように這っていた
緑の蔦のような命が
ずっと這いつくばって 延びてた
太陽の光浴びながら 有刺鉄線と 生きていた
淀んだ空気に揺れながら そこには意味などあるのかどうかさえ
関係がない
隔てようとする力と 生き抜こうとする力と
まるで裏と表のようで 表と裏ではないもの
太陽の光浴びながら 有刺鉄線はそこにある
私がずっと 遠ざけたものが 自分自身だと気づく
有刺鉄線がそこにあっても
多分そこには ボーダーはない
淀んだ空気が揺れている
そこには きっと 出口があるから
わたしはそっと心の中の
有刺鉄線を切った
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