歌:みとせのりこ
作詞:みとせのりこ
作曲:流歌
まだ明けきらない浅い夜の色 蒼く
窓辺にもたれて 頬杖をついたまま
この部屋はまるで深い海の波底(なみそこ)
置き去りにされて沈む水槽のよう
当たり前に 誰かがそこにいる
いつの間にかその場処が「空白」になること
気づかずいた
知らずにいた
それは やわらかな棘
色彩(いろ)のない 独りきりの閉じられたセカイ
――水の底の 誰もいない
そのままで ただこのまま 今のままで
――ただ変わらぬ 日常(ひび)のままで
眠らぬ 夜は明ける
水面の月光(つき)へと伸ばした指は届かない
誰の手にも 触れはしない
――何も聴こえない
知らぬ間に 色彩(いろ)を帯びてかすかに輝やく
――君がそこに ただいるだけ
痛むほど瞳を刺す 淡い光
――寄せて返す 揺れて惑う
色彩(いろ)のないはずのセカイ 鎖されたセカイ
――君がそこに ただいるだけ
このままで ただこのまま 今のままで
――今日と同じ 明日のままで
思考(おもい)は拡散(き)えてゆく
波間に…
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