作詞:森由里子
作曲:澤口和彦
聴こえるか?
あの遠い雷(いかづち)の音。
まるで時代の叫び声のように、少しずつ少しずつ、響きを増すあの音が。
そして、見えるか?
天が怒(いか)っているかのような、夜空に刀で亀裂を入れたようなあの稲妻が。
あれは…、俺達の怒りだ。
もし、俺を鬼と呼ぶなら、呼ぶがいい。
俺には、しなくちゃならねえ使命がある。
たとえ雷(かみなり)に打たれ焼け死んでも
俺は、荒れ野を走って行かなくちゃならねえ。
それが、俺の生きる宿命。
俺の選んだ道だ。
しかし、お前にこれだけは言っておく。
俺は、お前のことは守りぬく。
どんなことが起こっても
どんなに時代が変わっても
この想いだけは消えはしない。
聴こえるか?あの近づいてくる足音。
いや、雷に消されても俺にはわかる。
激動の暗闇にあって
俺が出来ることはたった一つ。
そう、闘うことだ。
敵と。
そしておのれ自身と。
新選組。
こんな俺達がいたことを、後世の奴らは笑うやもしれぬ。
愚かかもしれない。
いや、愚鈍なまでに、ひとすじであること。
それが、武士というものなのだ。
命を賭けなくては生きられぬ生き物。
それがサムライなのだ。
そう、俺はサムライになることを決めた。
おのれの志を全うするために
それ以外の選択肢は無かった。
それが俺の決めた定め。
俺にはそれ以外の道などないんだ。
もし、俺について来るというのなら
お前はバカだ。
それでも、俺についてくるというのか?
それでも、俺を信じるというのか?
ふっ、やはり、おまえはバカだな。
俺と同じように。
聴こえるか?あの豪雨、
そして吹きすさぶ風の音。
あれは人々の滂沱の涙の音だ。
憤る嵐の中にあって、
俺がなすべきことはたった一つ。
そう、切り込むこと。
敵に。
そして、この時代を駆け巡る
影に。あの亡霊の群れに。
俺は振り向くことはない。
自分の為したことを悔やむこともしないだろう。
今も、そして、これからも、ずっと。
俺は振り向くことはない。
自分の為したことを悔やむこともない。
今も、そして、これからも、ずっとだ。
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