作詞:森由里子
作曲:小野貴光
夕暮れ刻(どき)
薄れゆく光が
障子の隙間から
刃の如き手を差し伸べる
僕に、共に消えようと
誘っているかのように
嗚呼
それもいいかもしれない
この、悲しみとは違う
悔恨(かいこん)とも異なる
言の葉にならない思い
全てが、無に帰するのなら
茫漠(ぼうばく)たる闇、
墨絵のようなこの風景を
一刻も早く、暗黒に塗り潰してくれないかな?
僕の、この侮蔑(ぶべつ)すべき懊悩(おうのう)を
名づける術(すべ)もなく、葬るために
幽(かす)かなる光、早く逝(ゆ)けばいい
忌々(いまいま)しいこの思いを、
どうか照らさないで
――目を閉じて見える闇に、僕は
この病葉(わくらば)の如き身を横たえる。
滅びゆく光、
君はまた
明日には、輪廻(りんね)するだろう
その時
君に見(まみ)えることができるのかどうか
僕は、知らない
ただ、願わくば、光
血飛沫の中で、
抜け殻になった僕を、照らさないでおくれ
この終焉に近づく身体(からだ)
ときに、変化(へんげ)する忌むべきこの身に
ふさわしいのは闇
光の欠片(かけら)すら見えぬ闇
――目を閉じて見ゆる闇に、
計り知れぬ渦の中に、僕は堕ちてゆく。
もしも、再び
違う時代に生まれ変わることがあるのなら
その時、僕は何を見るのだろう
ここにある曖昧に歪んだ漆黒も
その時は、生まれ変わっているのかな
己(おのれ)と対峙したときだけに生まれる
この懊悩の息の根を止める日
僕は、人知れず宿命の弓に射られるだろう
――目を閉じて見える闇、茫漠(ぼうばく)たる闇。
そこに散華(さんげ)し
胎内で深く眠る赤子の如く
ひとり、身を横たるために。
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