カトキチ 身体障害者用トイレブルース 歌詞

歌：カトキチ

作詞：加藤淳

作曲：町田謙介

車椅子での生活　やっかいなのはトイレ
近頃は駅にも大変便利なトイレが
世の中まんざら捨てたもんじゃない
その日も電車降りてこの便利なトイレに直行
ドアには鍵　使用中のマーク
残念　待つしかない　待つしかない
やばい　漏れそう～

ムーーン、みんな聴いてくれ
これが　三鷹の　身体障害者用トイレブルース

ふとトイレの中から声がする　それも一人じゃない
女の叫び声？　え？　これやばいんじゃない？
いやいや　叫び声じゃない　喘ぎ声だ
なんて奴らだ　トイレで男女の営みをしている
確かにこのトイレは広い　やりやすいかも
なんてのんきな事言ってる場合じゃない
こっちはそろそろ限界　早く終わってくれ～

ムーーン、みんな聴いてくれ
これが　三鷹の　身体障害者用トイレブルース

ガチャッとカギがあく　ドアがひらく
顔の火照った若いカップル
まるで僕が透明人間かのように
なんのリアクションもなしに去っていく
残された僕　トイレに入る
漂う甘くすえた香り
便器に移りズボンを脱いで　僕は泣いた

でもそれは決して　悔し涙ではなかった

ムーーン、みんな聴いてくれ
これが　三鷹の　身体障害者用トイレブルース

決して悔し涙ではなかった
僕の体は子孫を増やせない
彼らは知っているのだろうか
その営みの向こうには生命という未来がある事を
僕は感じ取ったんだ　生命のエネルギーを
生き続けよというメッセージを
僕は涙を流した
ここに僕がいるという証拠を刻み込むための涙を

僕は上から下からと　大量の水分を流しながら
便器に座っていた

ムーーン、みんな聴いてくれ
これが　三鷹の　身体障害者用トイレブルース