歌:からん
作詞:からん
作曲:からん
春風を蹴散らして
君の足音が響く
街の隅で
夜明けの色を閉じ込めた
小さな花は人知れず
石段とせかいの隙間で
透明な朝を繰り返してるの
あの子を囲う花壇なんて窮屈そう
でも誰かに愛されてるのかな
いいな
春風を蹴散らして
誰かわたしの輪郭(かたち)を確かめてよ
その声も流されてみっともないわ
また夜を待つの嗚呼
来る日も花は一人きり
小鳥も猫も気づかずに
こんなに綺麗に咲いたのに
透明なままで枯れていくんでしょう
突然に響いた足音
紺色の制服が揺れる
覗き込んだその瞳は
花より甘い香りがしたの
真っ黒な瞳落っこちるような
「可愛いな。」
春風を蹴散らした
言葉がかじかんだ日々に赤を差して
誰かを待つ君がはしゃいで呼んだ
私と同じ名前
少し早く来た君があの子を待つ
繰り返す光景初めての感情
ある日神様の声がしたの
“10分間だけ、あなたを人にしてあげましょう。”
ああ君と同じ姿でいられるなら?
枯れそうなほど考えたけど
きっと
解いた黒髪が
響く鼓動と日差しの熱になびく
スカート整えて君を待つ
春風を蹴散らして
繋いだわたしの輪郭(かたち)を確かめていく
君の居た時間はこんなに長く世界は甘く
春を待つの
また会える日まで嗚呼
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