歌：宮城まり子
作詞：寺山修司
作曲：田中未知
ぼくはたずねる
――どうして母さん泣いてるの?
おじさんが答える
――坊やに関係ないことだよ
ぼくはたずねる
――父さんどこへ行っちゃったの?
おじさんが答える
――山のむこうのよその町
山のむこうはもう春で
さくらの花が咲いているだろ
ぼくは階段に腰かけて
父さんのこと思ってる
ぼくはたずねる
――父さん何しに出かけたの?
おじさんが答える
――仕事のためだよ心配ないよ
ぼくはたずねる
――父さんだれと一緒なの?
おじさんが答える
――ひとりぼっちで出かけたよ
だけどぼくは知っている
とってもきれいな横顔の
女のひとと父さんが
一緒に汽車に乗ったのを
線路のそばのアパートで
とりのこされた母さんが
泣き泣き洗濯してるのは
父さんの古いシャツなんだ
ぼくはたずねる
――わかれって何のことなの?
おじさんは答えない
空はきれいな青空だから
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