歌:山内惠介
作詞:松井五郎
作曲:村松崇継
ひとの思いは 行ったり来たり
帯を解いて まだ一時(いっとき)迷う
紅粉(べに)を拭えば ぼんやり月夜
いっそ闇でくるんで枕(とこ)に隠そう
乱れた髪も 堪忍してな
まるで蜘蛛の糸 上手にお逃げ
素手で刃物をうっかり触る
そんなさびしさにだけ気をつけなさい
さて どうしたもんか
そりゃ 悩ましいさ
本気は柵(しがら)み 愛さえ泥濘(ぬかる)み
間違えりゃ 罰(バチ)も当たる
ひらり ひらひらり ひらひらりと
膚(はだ)に紅(くれない)の蝶が舞う
抱いておくれよとせがめば 指も馴染む
地団駄を踏むなら よしとくれ
ゆら ゆらゆらり ゆらゆらりと
幻夢(ゆめ)に紅の火が灯る
たとえ奈落でも怖れず身を投げましょう
土壇場で尻込みしなさんな ほれ
恋の手管は はったりばかり
嘘も甘く ほれ 一服盛ろう
誰のことやら ちゃっかり寝言
それはそれで一晩聞き流す
惚れた弱みも しっかり束ね
花の彩(いろ)も また一気に変わる
浅い契りは ほっとけばいい
どうせ酔い醒めの風じきに吹くよ
さて どうしたもんか
そりゃ 怨めしいね
男は企み 女の憐れみ
差し違え傷は深い
ひらり ひらひらり ひらひらりと
膚(はだ)に紅(くれない)の蝶が舞う
好いておくれよと強請(ねだ)れば声も嵩(かさ)む
身勝手となじって退(ひ)きますか
ゆら ゆらゆらり ゆらゆらりと
幻夢(ゆめ)に紅の火が灯る
泣いちゃ始末には負えないろくでなしかい
修羅場で言い訳しなさんな
薄情者そんな思いにさせて
幸福者(しあわせもの)こんな思いにさせて
ひらり ひらひらり ひらひらりと
膚に紅の蝶が舞う
抱いておくれよとせがめば 指も馴染む
地団駄を踏むなら よしとくれ
ゆら ゆらゆらり ゆらゆらりと
幻夢(ゆめ)に紅の火が灯る
たとえ奈落でも怖れず身を投げましょう
土壇場で尻込みしなさんな
土壇場で尻込みしなさんな ほれ
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