馬場俊英 人生という名の列車 歌詞

馬場俊英の「人生という名の列車」歌詞ページ。
「人生という名の列車」は、作詞:馬場俊英、作曲:馬場俊英です。

「人生という名の列車」歌詞

歌:馬場俊英

作詞:馬場俊英

作曲:馬場俊英

人生という名の列車が走る
時代という名のいくつもの街を行く
ヒロシは負け組みで タカシは勝ち組
優子は負け犬で 直美は捨て犬さ
ああ 雨の日も嵐も曇りもあるけれど
ああ ふぞろいの僕らはとにかく旅をした
とある病院の分娩室に 始発のベルが鳴り響き
列車が動き出した あれは 昭和四十二年

人生という名の列車が走り
ある土曜日の夜に辿り着いた街はブラウン管の中に
改札を抜けるとそこはお茶の間で
8時ちょうど 全員が集合 みんなでオイース!
「タライに気をつけろ!」 それがその街での教訓
歯も磨くよ 宿題もするよ 約束さ カトちゃん
笑い疲れて お茶の間のコタツで知らずに眠ってしまった
たとえばつまり そんな温もりに守られた時代だった 昭和四十八年

列車の旅は続き 次の街はというと
青い空に浮かぶ真っ白いボール そこはベースボール・パーク
中学の三年間をその街で過ごした
僕のその頃の夢は帽子のYGマーク
日が暮れるまで泥だらけになりボールを追い掛けた
どんな夢も叶うとまっすぐに信じてた
バレーボール部の知子ちゃん 覚えてくれてますか あの頃の僕ら
風に立ち向かう勇敢な冒険者だった 昭和五十五年

思いがけずに 次の街はなんとなくクリスタルなムード
浅野さんとか浅野さんのラブストーリにみんなで盛大にのぼせて
Yeah! 冬になったら私をスキーに連れてって
地球は女で回っていた あのトレンディな季節
居酒屋のトイレで隠れてキスをして
一気! 一気! 一気! ほんとうにバカだった・・・・
真夜中のモデルハウスで押し倒して マリちゃんを泣かせてしまった
オレはどこまで 助平になるのかと本気で怖かった 昭和五十九年

せつなくもバカバカしく愛しい季節がやがて過ぎた頃に
列車が着いたのは「旅立ち」という名のターミナル
大好きだった友達も恋人もここでさよなら
パパとママがくれた切符もここまでさ
裕次は北へ 秀樹は南へ 淳子は西へと向かった
僕はというと駅のベンチでまだ行き先を決めかねていた
何をすればいいのか するべきなのか ろくに考えたこともなかった
旅立つ友達がみんな大人に見えたっけ あれは確か 平成の元年

それからの日々は必死だったので良く覚えていないけど
人生という名の列車は走った
同級生のジローがそのうち学校の先生になり
あいつなんかが先生でいいのかと 俺は本気で思った
いつしか大人になりわかったことは
大人もみんな迷っていたんだっていうこと
拝啓 先生 あの頃 あなたも迷っていたんですね
前略 父さん母さん あなたたちもこの風に吹かれていたんだと
この向かい風に立ち向かっていたんだと
遅まきながら知った気がした あれは平成十年

旅はつづき 今度の街はとある郊外の私鉄沿線のベットタウン
僕は道の両側の無数の家々を眺めながら 歩いている
当たり前だけど どの家も誰かさんが建てた家で
世の中のお父さんは今日も頑張っているのだ
言い忘れたけど この旅の途中から僕にも
愛する人と二人のかわいい道連れがいて
僕はもう僕だけのものではなくなり
つまりこの人生の旅も もう僕だけのものじゃない
窓を眺めながらこぼれた この涙はなんだろう? 平成十五年

ところでこの列車の行き先を決めるのは一体何だろう
偶然か実力か運命か それとも神様の気まぐれか
地平線の向こうから吹き付ける風 水平線に朝の光
この戸惑いと不条理の世界 人間社会にようこそ
ウソつかず 誤魔化さず どんなときも人に優しく 決して腐らず
わかってるし気をつけてるし頑張ってる でも出来ないよ カトちゃん
でもどんなときも信じる事 決してあきらめないで
向かい風に立ち向かう 勇敢な冒険者でありたい 平成十八年

人生という名の列車が走る
時代という名のいくつもの街を行く
時代の風と空気を胸にたっぷりと吸い込みながら
ふぞろいの心はとにかく旅をする
裕次 ヒロシ 優子 直美 亮一 ジロー おかしいね
ああ 僕らが再来年40になるなんて
このレールの向こうに広がる世界 さあ行こう 旅を続けよう
今また旅立ちのベルが街に鳴り響き 列車が動き出す

どんな時も向かい風に立ち向かう 勇敢な冒険者でありたい

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